山階鳥類標本データベースについて


概要

山階鳥類研究所には、剥製・骨格・卵・巣・液浸など約8万点の鳥類標本が所蔵されており、国内最大のコレクションとなっています。本研究所では、2001年より文部科学省科学研究費補助金特定奨励費の交付を受け、標本とそれに付けられているラベルの撮影および個々のラベルの記載内容の読み取りを続けてきました。2009年12月28日には、コレクションの中核を占める剥製標本についてこれらの作業が完了し、標本データベースの公開を開始することとなりました。

ラベルの重要性

ラベルに書かれている情報は、標本を使って研究を進めるうえで大変重要です。そこで本データベースでは、ラベル情報の公開に重点を置き、原則としてすべての標本についてラベル画像を掲載しました。ラベル画像の公開に重点を置いたため、標本自体の画像はまだ多くありませんが、今後徐々に増やしていく予定です。

山階鳥類研究所は、標本情報をインターネットで公開することによって、鳥類学の発展に寄与するとともに、広く一般の方々にも鳥類への理解を深めていただくための機会を提供したいと考えています。


↑新種記載に用いられたヤンバルクイナの標本とそのラベル

ご利用にあたって

所蔵標本の大半を占めるのは学術研究用の「仮剥製」とよばれる標本で、展示用の「本剥製」とは、趣きがかなり異なっています。鳥の剥製というと、博物館などで見かける、鳥が木に止まったようなものを想像されるでしょう。このような標本は主に展示に使われます。展示用剥製は、その鳥がどんな姿をしていたかを知るのには役立ちますが、保管に場所を取りますし、体の各部の大きさを測定したり、いくつもの標本を比較するには不向きです。このため、研究用には研究用剥製(仮剥製)が使われます。 研究用剥製は、内臓や筋肉・骨などを抜き、中に薬品を塗った上で綿などを詰め、鳥がゴロンと横たわった形に作ったものです。作成方法が比較的易しく、保管にも場所を取りません。山階鳥研が所蔵する剥製の大部分は、この研究用剥製で、これ以外に展示用剥製や卵・内臓・巣・骨格などの標本があります(詳しい解説はこちら)。野外でそれぞれの種がどんな姿をしているか知りたい方は、キーワード検索で、標本の種類として「本剥製」を指定して検索してください。

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